食虫植物とは?

一言でいえば虫を食べる植物ということで・・・。
「うみゅっ!」
イテテ、陛下、つっこむ時に本気で殴るのはやめてくださいよ。
今からちゃんと説明いたしますから。
えーっと、まずは皆さんに逆に質問です。食虫植物が虫を食べなかったらどうなるでしょうか?枯れちゃう?
答えは、「別になんともない」です。少しは栄養が足りなくなるかもしれないけど、ふつうの植物と同じように、葉緑素があって光合成もできるし、根っこも生えていて、地中の栄養分も吸収できるのですから。じゃあなんで虫なんか食べるのかって?
実は、食虫植物の生えているところは大変な痩せた土地で、酸性が強い(植物は酸性土壌は苦手な物が多い)湿地帯のような所なのです。食虫植物の先祖たちは、こんな植物の育たない過酷な環境で生き延びようと必死に進化を遂げたのでしょう。その結果、虫を食べて栄養分を補給するという能力を身につけたのです。

虫を捕らえるメカニズム

では陛下、次は各種食虫植物の捕虫のメカニズムを見てみましょうか。
「うみゅ」

その1 トリモチ式
「うみゅ?」
えっ?陛下はトリモチをご存じ無い?確かに最近の若い方は「トリモチ」って見たこと無いよね。
これは葉っぱの表面にベタベタした粘液を分泌して虫をくっつけて捕まえる方法です。
この方式で虫を捕らえる食虫植物には、どんな種類があるのでしょうか?

種類(青い文字は写真あり) 分布 解説
ドロセラ(モウセンゴケ) 全世界 最もポピュラーな物ですね。
虫を捕まえると葉全体が動くなどの活発な捕虫活動が見られます。消化酵素も分泌し、自力で昆虫を消化吸収します。
ピンギキュラ
(虫取りすみれ)
北半球温帯、南米高地 いまマニアの間で大ブレイクのグループ。花の美しさが最大の魅力。セントポーリアや雪割草的楽しさ。モウセンゴケより粘着力は弱いのですが、小さな虫を活発に捕虫します。
ドロソフィルム(モウセンゴケモドキ) イベリア半島・モロッコ この種の粘液には猫を誘引(笑)する物質が含まれているそうです。(食う気かよ!)消化酵素は分泌しますが、線毛や葉の動きはありません。
ビブリス オーストラリア ドロソフィルムに似てますが消化酵素は分泌せず、微生物により分解された栄養分を吸収します。
ロリズラ 南アフリカ 粘液は松ヤニのような感じの物で強力ですが、消化酵素を分泌しないので、食虫植物から除外されていたこともあります。
イビセラ 南米 さて、ちょっと異質なイビセラです。ふつうの草花のような姿ですが、全体から異臭を放ち(蠅をさそっているのか?)粘液を分泌して捕虫します。消化酵素の分泌は未確認だそうです。
プロボスキデア イビセラの仲間です。少量ですが捕虫が確認されます。
でもよくわからないです。食虫植物かどうかはかなり怪しいところ。
トリフィオフィルム アフリカ西部 雨期のみ食虫植物になるという妙なやつ。ほとんど写真もなく、実体がつかめません。週間朝日百科「植物の世界」に写真があるのですが・・・。

その2 一撃必殺!わな式
では陛下、次は恐怖のわな式を・・・。あれ?陛下?どこに行ったんだろう?
実は陛下は幼少のみぎり、ハエトリソウに食われそうになった経験がありまして。
それ以来怖いらしいんです。

種類 分布 解説
ハエトリソウ 北米(ノース、サウスカロライナ州) 最近ではホームセンターでも販売しているポピュラーな物。比較的栽培も容易で、最初に栽培したのが本種という方も多いのでは?いつ見てもその捕虫機能は驚異です。
ムジナモ 全世界に点在していたらしい。 栽培にちょっとコツのいる貴重な水性植物。
水中の小さな貝のような葉が瞬間技でプランクトンをぱくっと捕まえます。

その3 落とし穴式
では最も大型で派手な仲間、落とし穴式の食虫植物を紹介します。

種類 分布 解説
ネペンテス(ウツボカズラ)NEW! 熱帯アジア 写真コーナーに図解写真を用意しました。
サラセニア(瓶子草) NEW! 北米 意外!消化酵素を分泌していません。
獲物の分解は、袋の中に発生する微生物に頼っています。
ダーリングトニア(らんちゅう草) カリフォルニア
オレゴン
高山植物なので栽培が難しいのが難点です。
捕虫機能はすばらしいメカニズムが!
ヘリアンフォラ ギアナ高地 これも消化酵素は分泌しませんが、大変魅力的な姿をしています。
セファロタス(袋雪の下) オーストラリア南西部 かわいらしい植物。現在は栽培してません。
(別に深い理由はないんですが・・・。)
ブロッキニア(アナナス科) ギアナ高地 食虫植物として疑問視する声もありましたが、消化酵素の分泌が確認されたそうです。原始的な食虫植物といえます。
カトプシス(アナナス科) 中南米 ブロッキニア以上に怪しい。
これがホントに食虫植物なのかなあ?(面白いけど)
パエパランツス(ホシクサ科) ブラジル 見たことありませんが、ますます怪しい種類。

その4 吸い込み式
では最も小型で地味な仲間、吸い込み式の食虫植物を紹介します。
とはいっても花は可憐で美しいグループです。

ウトリキュラリア(たぬきも) 全世界 水性のグループです。水中を漂いながらプランクトンを全草につけた小さな捕虫嚢で食べています。
ウトリキュラリア(みみかきぐさ) 全世界 湿地や樹上に生えるグループです。根の小さな捕虫嚢で、地中の微少生物を食べます。
ポリポンフォリックス オーストラリア みみかきぐさによく似ています。
ビオブラリア 中米 分類学者によってはウトリキュラリアに含むようです。

その5 迷路式
ゲンリセアという興味深いグループですが、王国では枯らしてしまいました(TT)
「うみゅみゅっ!!」
わっ、どこにいってたんですか。いえ、まあ、あれは確かに私の初歩的なミスで・・・。
「うみゅみゅみゅ!」
そんなに怒らないでくださいよおっ!とりあえず説明だけでも・・・(^^;)

ゲンリセア 南米とアフリカ スパイラルした奇妙な地下部で捕虫します。

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